相続手続きの代行費用|司法書士と銀行はどちらが安いか

\u76f8\u7d9a\u624b\u7d9a\u304d \u4ee3\u884c\u8cbb\u7528\uff5c\u307e\u308b\u3054\u3068\u4f9d\u983c\u30fb\u30ef\u30f3\u30b9\u30c8\u30c3\u30d7\u306e\u76f8\u5834 基本・総覧

本記事にはプロモーション(PR)が含まれます。

共働きで平日に役所へ行けない、相続人が遠方に散らばっている、預金・不動産・証券と手続き先がいくつもある。そんなとき「戸籍集めから名義変更まで、まるごと専門家に任せられないか」と考える方は多いはずです。相続の手続きは窓口ごとに書類も期限も違い、自分で一つずつ回ると数か月がかりになることも珍しくありません。だからこそ、いくつもの手続きを一つの窓口でまとめて頼む「ワンストップ(一括)代行」に相場感が持てるかどうかが、動き出しの分かれ目になります。

結論から言えば、まるごと依頼の費用は「頼む手続きの範囲」と「どこを一括窓口にするか(司法書士の遺産承継業務か、銀行の遺産整理業務か)」の2つでほぼ決まります。まず自分の相続に必要な手続きを預金・不動産・証券などに分けて洗い出し、その範囲で見積もりを取る。これが、払いすぎず抜け漏れも防ぐ最短ルートです。

相続手続きを「代行でまるごと」頼むとは何をどこまで任せるか

相続関係の書類を整理する手元
相続手続きを一任する(イメージ)

ひとくちに代行と言っても、任せられる作業の幅は広く、範囲によって費用は大きく動きます。まず「何を頼めるのか」を分解しておくと、見積もりの読み方がぶれません。

ワンストップ代行に含まれる主な作業

  • 戸籍・住民票などの収集: 被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍を取り寄せる作業。
  • 相続関係説明図・法定相続情報一覧図の作成: 誰が相続人かを一覧にした図の作成。
  • 遺産分割協議書の作成: 誰が何をどれだけ相続するかを文書化する。
  • 預貯金の解約・払戻し、名義変更の代理: 各金融機関での手続きを窓口ごとに代行する。
  • 不動産の相続登記(名義変更): 法務局への登記申請の代理。

これらを一人の専門家、または一つの窓口にまとめて任せるのが「ワンストップ代行」です。個別に頼むと自分で各社を回る手間が残りますが、まるごと依頼なら書類のやり取りが一本化され、相続人が動く回数を大きく減らせます。各手続きの単価そのものは相続手続きの費用相場にまとめているので、ここでは「一括で頼むといくらになるか」に絞って見ていきます。

ワンストップの依頼先は「司法書士の遺産承継業務」と「銀行の遺産整理業務」

相続手続きをまるごと任せられる代表的な窓口は2つあります。どちらも「一括代行」ですが、料金の型と得意分野が異なります。

司法書士・行政書士の遺産承継業務

遺産承継業務(相続財産の調査から解約・名義変更までを一括で代理する業務)は、司法書士が扱う一括代行の中心です。日本司法書士会連合会の2024年アンケートでは、金融機関3口座(各1,000万円)・相続人3名・遺産分割協議書の作成に加えて解約と振込の代理まで行う設例で、報酬の平均は272,780円でした(有効回答502)。不動産の相続登記を同じ事務所でまとめて頼めることが多く、預金と不動産の両方がある相続と相性が良い窓口です。

信託銀行・銀行の遺産整理業務

信託銀行などが提供する遺産整理業務も、財産調査から名義変更までを一括で任せられます。全国の窓口網や中立的な立場が強みですが、一般に最低報酬が高めに設定される傾向があり、遺産総額に応じた料率で費用が決まる仕組みが多いのが特徴です。具体的な料金は各行で異なるため、遺産総額と手続きの範囲を伝えて見積もりを取るのが前提になります(料金は各金融機関の公表条件によります)。

どちらを軸にするかの目安

費用を抑えつつ登記まで一気に片づけたいなら司法書士の遺産承継業務、相続人の数が多く中立的な第三者に任せて手続きの公平性を担保したい、あるいは取引金融機関がすでに信託銀行なら銀行の遺産整理業務、という切り分けが実務的です。相続税の申告が必要な規模なら、税理士との連携も含めて相談できる窓口を選ぶと二度手間になりません。

【明細例】預金3口座と不動産をワンストップで頼む代行費用

実数で組み立ててみます。相続人が子3名、遺産は預貯金3口座(各1,000万円)と実家(土地・建物、評価額合計1,000万円)というケースで、司法書士に遺産承継業務と相続登記をまとめて依頼した想定です。使う数字は、日本司法書士会連合会2024年アンケートの設例平均と、登録免許税(登記のときに国へ納める税金)です。

費用の項目 金額 内容・計算根拠
遺産承継業務(司法書士報酬) 272,780円 金融機関3口座の解約・振込代理+遺産分割協議書の作成(設例平均)
相続登記の司法書士報酬 74,888円 土地1筆+建物1棟・評価額合計1,000万円の登記申請代理(設例平均)
相続登記の登録免許税 40,000円 1,000万円 × 0.4%(固定資産税評価額 × 1,000分の4)
戸籍・住民票などの取得実費 数千円程度 通数により変動(別途)
合計の目安 約387,668円+実費 報酬部分の合計に登録免許税を加えた金額

ここで一つ注意点があります。遺産承継業務の設例にも相続登記の設例にも「遺産分割協議書の作成」が含まれており、単純に足すと作業が重複します。実際にはまとめて依頼すると協議書の作成などが一本化されるため、この単純合算より下がることも多いです。逆に、口座数や不動産の数が増えれば加算されます。金額は2026年9月時点・日本司法書士会連合会の設例平均で、相続人の数や財産の内容で大きく変わります。

まるごと頼むか、個別に頼むかの判断フロー

すべてを代行に出すのが常に得とは限りません。財産が少なく手続き先も一つなら、一部は自分で進めた方が費用を抑えられます。次の順で当てはめると、任せる範囲を決めやすくなります。

  1. 手続き先はいくつあるか。預金・不動産・証券など窓口が3つ以上に分かれ、平日に動ける人がいないなら、ワンストップ代行の手間削減メリットが大きくなります。
  2. 不動産の相続登記が必要か。登記が絡むなら司法書士が必須になるため、預金の解約もまとめて遺産承継業務で頼むと窓口が一本化できます。
  3. 相続人が遠方・多人数で協議が難しいか。書類の取りまとめが煩雑なら、中立の第三者に一括で任せる価値が上がります。
  4. 財産が預金一つだけなど単純か。この場合は、戸籍収集や一部の解約を自分で行い、登記だけ専門家に頼むなど部分依頼でも回せます。

2024年4月から相続登記は義務化され、原則として不動産の取得を知った日から3年以内の登記が求められます。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になるため、不動産があるケースでは早めに窓口を決めておくと安心です。

代行費用で損をしないための見積もりの取り方

和室の机で思案する人物の後ろ姿
落ち着いて検討する様子(イメージ)

一括代行は便利な反面、範囲があいまいなまま契約すると「これは含まれていなかった」という追加費用が起きがちです。次の3点を押さえると、見積もりの比較がぶれません。

  • 財産の一覧を先に作って渡す: 預金の口座数、不動産の筆数、証券口座の有無を書き出してから見積もりを依頼すると、範囲が明確になり相見積もりを比べやすくなります。
  • 報酬と実費を分けて確認する: 提示額が専門家報酬だけなのか、登録免許税や戸籍の取得実費を含むのかを必ず確認します。登録免許税や実費は誰に頼んでも同額です。
  • 相続税申告の要否を伝える: 申告が必要な規模なら税理士連携の有無で総額が変わります。相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内で、逆算して窓口を選ぶ必要があります。

複数の窓口から見積もりを取り、同じ財産構成で比較するのが基本です。金額だけでなく、どこまでの作業が含まれるか、追加費用の条件は何かまで並べて確認してください。

よくある質問

相続手続きをまるごと代行に頼むと、総額はいくらぐらいですか。

財産の内容で大きく変わりますが、金融機関3口座と不動産がある標準的なケースでは、司法書士の遺産承継業務と相続登記を合わせて報酬40万円弱+登録免許税・実費が一つの目安です(2026年9月時点・日本司法書士会連合会の設例平均に基づく試算)。口座や不動産の数が増えると加算されます。

司法書士と銀行の遺産整理業務は、どちらが安いですか。

一般に、司法書士の遺産承継業務のほうが最低報酬を抑えやすく、不動産の登記までまとめられる利点があります。銀行の遺産整理業務は窓口網や中立性が強みですが、最低報酬が高めで遺産総額に応じた料率のことが多い傾向です。どちらも同じ財産構成で見積もりを取り、含まれる範囲まで比べて判断してください。

戸籍集めだけ、登記だけ、と一部だけ頼むこともできますか。

できます。財産が預金一つだけなど単純なケースでは、戸籍収集や解約を自分で行い、登記だけ司法書士に頼む部分依頼で費用を抑える方法もあります。手続き先が多く平日に動けない場合ほど、一括代行の手間削減メリットが大きくなります。

代行を頼んでも、相続人本人が動く場面はありますか。

あります。遺産分割協議の内容を相続人全員で合意すること、協議書へ実印を押し印鑑証明書を用意することなどは本人の作業として残ります。代行が担うのは書類の収集・作成と各窓口での手続きの代理で、合意そのものの取りまとめは相続人が行います。

見積もりに登録免許税は含まれていますか。

含まれていないことが多いです。登録免許税は不動産の固定資産税評価額の0.4%を国に納める税金で、専門家報酬とは別枠です。見積もりを見るときは、提示額が報酬だけか、登録免許税や戸籍の取得実費まで含むのかを必ず確認してください。

相続税の申告も同じ窓口で頼めますか。

相続税の申告は税理士の業務です。司法書士事務所や銀行の遺産整理業務では、提携する税理士と連携して申告まで対応できる場合があります。申告が必要な規模なら、最初に「相続税の申告も要る」と伝え、税理士連携を含めた見積もりを取ると二度手間になりません。

参考・出典

  • 日本司法書士会連合会「報酬に関するアンケート」(2024年3月実施): https://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2024/11/2a2e2c594bc4cd9ff2ca0f6d916db85e.pdf
  • 国税庁 タックスアンサー No.7191(相続登記の登録免許税): https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm
  • 法務省「相続登記の申請義務化」: https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html

情報は2026年9月時点のものです。相続手続きの代行報酬は財産の内容・相続人の数・依頼する範囲で変わり、登録免許税や税制の扱いは改正で変わることがあります。実際の依頼にあたっては各窓口の見積もりと、司法書士・税理士など専門家の確認をご利用ください。

タイトルとURLをコピーしました