相続した家を売る費用|仲介手数料と譲渡所得税

\u76f8\u7d9a\u3057\u305f\u5bb6\u3092\u58f2\u308b\u8cbb\u7528\uff5c\u4ef2\u4ecb\u624b\u6570\u6599\u3068\u8b72\u6e21\u6240\u5f97\u7a0e 不動産の処分

本記事にはプロモーション(PR)が含まれます。

親が住んでいた実家を相続したものの、誰も住む予定がなく、固定資産税や管理の手間だけがかかる。思い切って売ろうと動き出したとき、多くの人が最初にぶつかるのが「結局、いくら手元に残るのか」という疑問です。売却価格がそのまま入ってくるわけではなく、不動産会社への仲介手数料や、利益が出たときの税金など、いくつもの費用が差し引かれます。

相続した家を売るときに出ていくお金は、大きく分けて「売るためにかかる費用」と「売って利益が出たときにかかる税金」の2つです。前者の中心は仲介手数料、後者の中心が譲渡所得税(不動産を売った利益にかかる税金)です。判断の基準はシンプルで、まず売却にかかる固定的な費用を見積もり、そのうえで「利益が出るのか、出るなら特例で税金を減らせるのか」を確認する、という順番で考えると全体像がつかめます。

相続した家を売るときに出ていく費用の内訳

売却でかかる費用は、契約や登記に伴う「実費」と、利益に対する「税金」に整理できます。次の表は、相続した家を売る場面で発生しやすい主な費用をまとめたものです。金額が確定するのは売買価格や不動産の評価額が決まってからですが、事前に項目を押さえておくと見積もりの精度が上がります。

費用の項目 目安・計算方法 支払い先
仲介手数料 売買価格×3%+6万円+消費税(売買価格が400万円を超えるとき) 不動産会社
相続登記の登録免許税 固定資産税評価額×0.4% 国(法務局)
相続登記の司法書士報酬 平均74,888円(設例による目安) 司法書士
印紙税(売買契約書) 公式サイトで確認 国
譲渡所得税・住民税 売却益が出た場合にかかる(税率は所有期間で異なる 公式サイトで確認) 国・自治体
抵当権抹消・清掃・解体など 実費(状況により発生) 各業者・法務局

このうち、売却の前提として先に済ませておく必要があるのが相続登記(不動産の名義を亡くなった人から相続人へ移す手続き)です。名義が親のままでは家を売ることができません。相続登記にかかる費用の相場は、相続手続きの費用相場の記事で、実費と専門家報酬を合わせて約11万円が目安であることを実例で解説しています。売却を考える前に、まずここを通過点として押さえておいてください。

仲介手数料はいくらか|400万円超は3%+6万円が上限

不動産会社に売却を依頼して買主が見つかると、成功報酬として仲介手数料を支払います。この上限は宅地建物取引業法にもとづく国の告示で決まっており、売買価格が400万円を超える場合は「売買価格×3%+6万円(別途、消費税)」が上限です。あくまで上限額なので、これより低い設定の会社もありますが、実際には上限どおりで提示されることが多いのが現状です。

仲介手数料の計算例

たとえば実家が2,000万円で売れた場合、仲介手数料の上限は次のように計算します。

  • 2,000万円 × 3% = 60万円
  • 60万円 + 6万円 = 66万円
  • 66万円 + 消費税 = 手数料の上限額

売買価格が上がれば手数料も比例して増えるため、売却費用の中でも最も大きな項目になりがちです。なお400万円以下の低額な物件については別の料率が定められています。ここでは中心となる価格帯にあたる「400万円超」のケースを取り上げていますが、低額物件を売る場合は依頼先の不動産会社に手数料の内訳を必ず確認してください。

譲渡所得税の仕組み|利益が出たときだけかかる

譲渡所得税は、家を売った金額そのものにかかるのではなく、「売って出た利益(譲渡所得)」に対してかかる税金です。利益が出なければ、原則として課税されません。譲渡所得は次の式で計算します。

譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除

取得費は、その不動産を手に入れたときの購入代金や購入時の諸費用です。相続で引き継いだ家の場合、亡くなった人が買ったときの金額を引き継ぎます。譲渡費用は、仲介手数料や印紙税など、売るためにかかった費用のことです。

譲渡益が出ない例

親が3,000万円で購入した家(取得費が分かる)を、譲渡費用100万円をかけて2,500万円で売ったとします。

  • 2,500万円 −(3,000万円 + 100万円)= マイナス600万円

この場合は利益(譲渡所得)が出ていないため、譲渡所得税はかかりません。一方で、親の代から値上がりした土地などは大きな利益が出ることがあり、その場合は所有期間の長さによって税率が変わります。相続した家は亡くなった人が所有していた期間を引き継いで判定するのが特徴です。

なお、親の購入代金が分かる契約書などが残っていないケースもあります。

相続した家の売却で使える2つの特例

相続した家を売るときは、譲渡益を軽くできる特例が用意されています。代表的なのが「取得費加算の特例」と「空き家の3,000万円特別控除」です。それぞれ要件と期限が異なります。

特例 内容 主な期限・条件
取得費加算の特例 相続税を納めた人が、支払った相続税の一部を取得費に加えられる。取得費が増える分だけ譲渡益が圧縮され、税金が軽くなる 相続税の申告期限(相続の開始を知った日の翌日から10か月)の翌日以後3年を経過する日までに売却
空き家の3,000万円特別控除 一定の要件を満たす空き家を売ったとき、譲渡益から最大3,000万円(取得相続人が3人以上なら2,000万円)を控除できる 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却/売却代金1億円以下

取得費加算の特例は、相続税を払った人が対象です。相続税の申告と納税には「相続の開始を知った日の翌日から10か月」という期限があり、この特例はその申告期限の翌日から3年以内の売却が条件になります。相続税がかかった家を売るなら、この期間内に動くことで税負担を抑えられる可能性があります。特例の詳しい要件と計算方法は、取得費加算の特例を扱った記事でくわしく解説します。

空き家の3,000万円特別控除は、昭和56年5月31日以前に建てられた家であることや、区分所有建物(マンションなど)でないこと、相続開始の直前に亡くなった人以外が住んでいなかったことなど、細かい建物要件があります。相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までという期限もあるため、要件に当てはまりそうなら早めの確認が大切です。

どの特例を検討するかの判断フロー

  1. 相続税を納めたか。納めていれば「取得費加算の特例」が使えるか、相続税の申告期限の翌日から3年以内かを確認する。
  2. 売る家が空き家で、昭和56年5月31日以前の建物か。当てはまれば「空き家の3,000万円特別控除」の要件を確認する。
  3. 売却代金が1億円以下で、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れるか。
  4. どちらも該当しそうな場合や要件の判定が難しい場合は、売買契約を結ぶ前に税務署または税理士に相談する。

費用を見積もる順番と、専門家への相談

相続した家の売却費用は、「売るための実費(仲介手数料・登記関係)」を先に固め、そのうえで「利益が出るかどうか」を確認する順番で考えると迷いません。仲介手数料は売買価格からほぼ機械的に計算でき、相続登記の費用は固定資産税評価額×0.4%の登録免許税と司法書士報酬(設例で平均74,888円)が中心です。ここまでは金額の見通しが立てやすい部分です。

一方、譲渡所得税は取得費の把握と特例の適用可否で結果が大きく変わり、素人判断が難しい領域です。相続税を払っている、あるいは古い空き家を売るといったケースでは、契約前の段階で税理士に試算を依頼すると、特例の期限を逃さずに済みます。税理士報酬には公的な相場統計がないため、複数の事務所で見積もりを取って比べるのが現実的です。

よくある質問

相続した家を売るのに名義変更は必要ですか。

必要です。名義が亡くなった人のままでは売買契約や引き渡しができないため、売却の前に相続登記(不動産の名義変更)を済ませます。相続登記は2024年4月から義務化され、相続の開始と所有権の取得を知った日から3年以内の申請が求められています。

仲介手数料はいつ支払うのですか。

成功報酬なので、買主が見つかって売買契約が成立してから支払います。売買契約時に半額、引き渡し時に残り半額とする分割払いが一般的です。契約前に金額と支払い時期を書面で確認しておくと安心です。

譲渡所得税はいつ支払いますか。

家を売って利益が出た場合、売却した翌年の確定申告で所得税を、その後に住民税を納めます。利益が出ていない場合や特例で控除される場合でも、特例の適用には申告が必要になることが多いので、売った翌年の申告を忘れないようにしてください。

取得費が分からないときはどうなりますか。

親が買ったときの契約書や領収書がなく取得費が不明な場合は、税額が大きく変わることがあります。

空き家の3,000万円控除と取得費加算は両方使えますか。

それぞれ要件や対象が細かく定められており、併用の可否は個別の状況によって判断が分かれます。両方に当てはまりそうな場合は、契約を結ぶ前に税務署または税理士に確認してください。

兄弟で相続した家を売った費用は誰が負担しますか。

共有で相続した家を売った場合、仲介手数料や税金は原則として持分に応じて按分します。譲渡所得も持分ごとに計算されるため、特例の適用や確定申告も各自が行うことになります。

いつまでに売れば税金が軽くなりますか。

特例には期限があります。空き家の3,000万円特別控除は相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、取得費加算の特例は相続税の申告期限(相続の開始を知った日の翌日から10か月)の翌日以後3年以内が目安です。期限を過ぎると使えなくなるため、早めに検討してください。

情報は2026年9月時点のものです。税制や要件は改正されることがあるため、実際の売却前に国税庁や税務署、専門家の最新情報をご確認ください。

参考・出典

  • 国税庁 タックスアンサー No.3252 取得費加算の特例 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3252.htm
  • 国税庁 タックスアンサー No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
  • 国税庁 タックスアンサー No.7191 登録免許税の税額表 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm
  • 国税庁 タックスアンサー No.4205 相続税の申告と納税 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm
  • 法務省 不動産を相続した方へ(相続登記の申請義務化) https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
  • 宅地建物取引業法にもとづく報酬額の告示(国土交通省)
  • 日本司法書士会連合会「報酬に関するアンケート」(2024年3月実施) https://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2024/11/2a2e2c594bc4cd9ff2ca0f6d916db85e.pdf
タイトルとURLをコピーしました